【千代むすび 純米吟醸 初しぼり 無濾過原酒生】
焦げ感と 黒糖甘味を ぽわっと切り
はじめましてのお酒、千代むすびさん。鳥取県境港市・千代むすび酒造さんのお酒です。
千代むすび酒造さんは、慶応元年(1865年)創業。めっちゃ幕末! 大政奉還の2年前です。この頃の境港市は鳥取藩の御番所が置かれ、千石船の往来で賑わっていたそう。ちなみに幕末の鳥取藩は、敬幕・尊王という微妙な立場を取っていましたが、戊辰戦争では新政府方として戦っています。
千代むすびという名前は、「永久に変わることのない人と人の固い結び、絆」を意味するんだそう。良い名前ですね。
今回のお酒は、新酒第1号。この季節ならではのお楽しみです。さっそく飲んでいきましょう。
香りは、夕立ち前の雨の匂いと、麦わら・乳酸・青バナナ。不思議な組み合わせだけど、爽やかで美味しそうです。
ちなみに夕立ち前の雨の匂いには、「ペトリコール」という名前が付いています。雨粒が植物の油の付いた乾いた地面に衝突すると、その成分を取り込んだ気泡(エアロゾル)が放出されて、匂いとなるんだとか。
閑話休題。
口に含むと糖甘ぽんっ。焦げ感のある黒糖の糖分がたっぷり。その後で、くっきり苦味も出てきます。
うっまああ!!
含み香ほんのり焦げ甘アル。後味も、焦げ苦甘がじんわりと、長く続いて心地よい。
しっかり甘いけど、アルコール感がそれをぽわっと切ってくれます。ベタつかず、甘ったるくなく、カッコいい。そのアルコール感は強くてビリっと残るけど、刺すような刺激はないからくいくい飲めちゃいます。苦味も嫌らしさはありません。
こちらのお店は、メニューに味わいが書いてあるんですが、、、日本酒度+6!? うそやろ! けっこう甘いです。まあ、アルコールが17度というのもあるのかな? 日本酒度というのは甘さを直接測っているのではなく、比重の値なので、水より軽いアルコールが多いと日本酒度は高くなりがちなんです。アルコール自体にも甘味がありますしね。
アテは、引き続きの どて焼き。しっかり味噌味で甘味が引き立ち、それをアルコールがスパッと切ってくれます。合う!!
ジブリで例えると「魔女の宅急便」のフクオさん。おソノさんの旦那さんです。無口で一見怖いけど、実はやさしいし、地味にカッコいい。
好き度:★★★★☆
なんか乳じゃなくて姿勢が無駄によくなって肉もあるからまんま魔女の宅急便のフクオさん……
— あいす (@ais320) 2020年5月19日
そっくりや!!!!ワイはフクオさんや!!! pic.twitter.com/yay9c8vhxr
【DATA】
蔵元:千代むすび酒造株式会社(鳥取県境港市)
造り:純米吟醸 無濾過生原酒
原料米:山田錦
精米歩合:55%
アルコール度数:17% ・・・ 高い
日本酒度:+6 ・・・ 辛口
製造年月:2024年10月
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