こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

49才の桜 > ムスカ(天空の城ラピュタ)[ジブリ酒]

津島屋(つしまや)外伝 49歳の桜 純米大吟醸 生】

力強い 黒糖アル旨 インパク

49才の桜

49才の桜
49才の桜

3月は、「数字のお酒コレクション!」と「桜のお酒」の2本の特集記事を更新/アップしました。その両方に該当するお酒がこちら「49才の桜」です。そんなことある!?

こちらは、岐阜県美濃加茂市・御代桜醸造さんのメイン銘柄・津島屋の外伝。49才というのは、元杜氏酒向(さこう)博昭さんの年齢です。なんて杜氏らしい苗字!

御代桜醸造さんは、明治26年(1893年)創業。かつては他のお蔵さんと同じように、冬の酒造りの時期にだけ杜氏と蔵人を招いていました。しかし、それではやはり不安定。1990年代のなかばに杜氏候補生の社員を募集します。そこに手を挙げて入社したのが、専門学校で微生物関係の勉強をしていた酒向さん。当時、20歳でした。その後は、招いていた但馬杜氏のもとで酒造りの修行がはじまります。

ところが、5年目の造りに入る前に、その杜氏が体調を崩してしまいます。そこで、蔵元の判断で酒向さんが杜氏に就任。弱冠25歳の杜氏の誕生です。後から考えると、杜氏候補生を募集した蔵元には本当に先見の明があったんですね。

それから3年。酒向さんは全国新酒鑑評会で金賞を受賞するまでに成長します。そしてその頃、書家の遠藤泉女(せんにょ)さんと会食する機会がありました。そこでたまたま酒向さんの年齢を聞いて泉女さんが書いたのが、「二十八才の春」という書。それが力強くて独創的だったので、銘柄名として商品化。あっという間に完売してしまいます。当然、次の年の「二十九才の春」の要望も多く、泉女さんも快く引き受けてくれました。

そこからこのシリーズは、杜氏の1年間の集大成として、2022年の「四十六才の春」まで続きます。ところがこの年、酒向さんは家庭の事情で退職。シリーズはここで終わってしまいます。2023年は酒向さん不在のもと、6代目蔵元・渡辺博栄さんを中心とした体制で「三丁目の春」としてリリース。三丁目というのは、御代桜醸造さんの住所「美濃加茂市太田本町3丁目」のことでしょうか。

しかしファンからは、このシリーズへの高い期待と強い要望がありました。その要望に応え、酒向さんの「心」を引き継ぐという意味も込めて昨年、「48才の心」「48才の桜」として再出発。ラベルの書は、引き続き遠藤泉女さんによるものです。そして、今回のお酒・49才の桜へと続きます。
ちなみに渡辺博栄さんは1976年6月22日生まれ。今年49歳になります。だからシリーズを継続するのも無理は感じませんね。

惜しいことしたなあ。このシリーズを追いかけてれば「数字のお酒コレクション」の30代と40代が37以外コンプリートできたわけです。50代は横山五十と59Takachiyoしか埋まってないので、これからも出会えることを祈ってます。


さて、例によって前置きがながくなってしまいましたが、飲んでいきましょう。

香り控えめ黒糖アル。控えめだけど、良い香り。少し温まると、香りがふわっとふくらんで、乳酸とグレープフルーツの風味も出てきました。

口当たり、するりくっきりアル甘さ。黒糖+アルコールの甘味、穀物の旨味、そしてアルコール由来の苦味もふくらみます。
含み香くっきりアルほの甘で、後味もアルコール由来の苦味がビリっと残ってそれも良い感じ。

甘アルが豊かで美味しい、インパクトの強いお酒でした。ただ、味わいが強いので、だらだら飲むには向いてないですね。一瞬のきらめきとして、何日にも分けながら少しずつ飲みたいお酒です。

合わせたアテは「だし香る半熟味玉」と「ホタルイカのバター醤油ソテー」。どちらも美味しいし、どちらにも合います。微差で勝ったのはホタルイカホタルイカの旨味と、バター醤油の旨塩脂と、トーストのサクサクちょい焦げ感の相性が素晴らしいです。そしてその複雑で豊かな味わいが、お酒の甘味をふわっと引き出します。

ジブリで例えると「天空の城ラピュタ」のムスカ。悪役なんだけど魅力的。数々のインパクトの強いセリフが記憶にしっかり残ります。

好き度:★★★★

49才の桜

49才の桜

【DATA】
蔵元:御代桜醸造株式会社(岐阜県美濃加茂市)
造り:純米大吟醸 生酒
原料米:契約栽培米 山田錦
精米歩合:48%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月日:2025年3月

今回の記事には、日本酒メディア・SAKETIMESさんの2017年5月2日の記事『「二十八才の春」から14年。今年「四十一才の春」をリリースした御代桜醸造・酒向杜氏はなぜ、年齢を冠したお酒を造り続けるのか』を参考にさせていただきました。面白い記事なのでおすすめです。いつも良質な記事をありがとうございます。

 

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