【風の森 奈々露 657 純米酒 無濾過無加水生酒】
ガス抜けて 甘ぽわくっきり フルーティー



こないだ、新しい酒蔵の「S風の森」を飲んだ風の森さん。奈良県御所市・油長酒造さんのお酒です。S風の森とか鷹長とかは飲んでるけど、普通の風の森さんは久しぶりです。
この日は、奈良国立博物館でやっていた「超・国宝」展に行ってきたんです。で、奈良市に出たら寄りたくなるのが、なら泉勇斎さん。奈良県内27蔵120種類以上のお酒を揃え、有料試飲もできるという素晴らしい酒屋さんです。
で、試飲した2本のテーマが
奈々露は、奈良県が初めて開発した酒造好適米。風の森でよく使われている露葉風は実は愛知生まれだし、同じく秋津穂は旧農林省東海近畿農業試験場が開発しているので奈良だけではない上に、食用米です。「奈良県オリジナル酒米」は悲願だったんですね。
それだけに、奈々露の開発はかなり気合が入っています。予備交配が始まったのは2012年。2014年から本格的に開発に着手します。まずは露葉風と山田錦を交配し、翌年それに、穂が倒れにくい吟のさとを掛け合わせます。2015年に得られたその種子は、たった124粒。それを2016~2017年に増やし、2018年からは成熟期・草姿・稈長・稈質・穂相・粒大・玄米の品質、そして心白発現率の観点から選抜に入ります。2019年にさらに選抜を重ねて得られた株が「なら酒1504」。それを育成し、ようやく醸造適正試験に入れたのは2021年です。
さらに開発は続き、品種登録が出願されたのは、2024年4月26日。そしてようやく名前も決まり、2024年6月6日に商標出願されます。予備交配から12年。長かったですねえ。
外部には情報は出てきませんが、最後に残った「なら酒1504」の陰には、人知れず消えていった数多くの株もあったはずです。生き残った奈々露ちゃんは超エリート!
2024年に収穫された玄米は30t。今期はそれを奈良県酒造組合所属の16蔵で醸造し、2025年4月5日にお披露目会を開催するとともに一斉に発売されました。
そんな酒米ですから、今後の奈良のお酒のスタンダードになるんじゃないかと思います。なら泉勇斎さんでは、そんな奈々露の飲み比べができます。僕が行った時点で7種類くらいあったかな。でもそもそもの量が少ないから、飲みたい方はお早めに。
その中から選んだのは、風の森さん。最初だから知っているお酒で味わいたいですしね。風の森さんなら間違いない。
それではいよいよ飲んでいきましょう。
上立ち香、米旨ラムネフルーティー。ふんわりリンゴと白ブドウ。うん、風の森さんですね。良い香り。まあ、香りは酵母の影響が大きいでしょうし、そんなに変わらないでしょう。
口当たり、甘ぽわくっきりフルーティー。ん? 全然ガス感なくて、風の森っぽくない。と思ったら、単に瓶の底の最後の1杯で、もうガスが抜けてただけでした。飲み屋さんじゃなくてあくまで酒屋さんの試飲だから、減るスピードも遅そうですしね。
気を取り直してテイスティング。
豊かな米フルーティーな甘味を中心に、味わい全体広がって、旨酸ほの渋じんわりと。うん、やっぱり風の森さんです。つまり、めっちゃ美味しい!!
華やかな、甘味酸味と米旨味。ガス感が抜けている分、甘さがよりとろんと感じているかもしれませんね。
ジブリで例えると「君たちはどう生きるか」のヒミ。一応ヒロイン枠です。宮崎駿監督の性癖が全開になっているキャラクター。炎をあやつる力を持つ少女で、くっきりフレッシュ感はあるのに、どこか大人の落ち着きもあります。
好き度:★★★★☆
君たちはどう生きるか
— ポムーム (@youri_you_ri) 2025年5月5日
ヒミちゃん pic.twitter.com/E9xa46604k



【DATA】
蔵元:油長酒造株式会社(奈良県御所市)
造り:純米 無濾過生原酒
原料米:奈良県産 奈々露
精米歩合:65%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
酵母:協会7号系
仕込水:金剛葛城山系新装置加水 超硬水 硬度250mg/L前後
製造年月:2025年5月
関連記事:
←投票リンク踏んでいただけると、とても嬉しいです。