【澤姫 純米ゴールド 超濃醇仕込】
甘酸が どかんずずずん 濃醇に
飲んでみたかった銘柄・栃木県・井上清吉商店の澤姫さんです。
澤姫さんは、今年の国際的なお酒の鑑評会・IWC(インターナショナルワインチャレンジ)2022でチャンピオン・サケ、つまり世界一に輝いた銘柄なんです。しかも2度目のチャンピオン。凄い!
でも、今回いただく澤姫さんは、チャンピオンになったお酒とはだいぶ違いそう。だって、どう見ても変態です(褒め言葉)。名前にも偽りあり。ゴールドを通り越して赤くなってます。ウサギ・キノコに続いて、この日の「なんだこれ!?」3回目。
ちなみにこないだ、「赤いお酒・ピンクのお酒」という特集記事も出しているので、良かったらこちらもご覧ください。
このお酒は、麹の割合が普通の4倍の八割五分。同じ赤でも、通常の3倍の某少佐を越えています。麹が4倍ということは、その分だけお米と水の投入量が少ないということで、濃醇で甘酸っぱくなることが予想されます。でも井上清吉商店さんはそれだけじゃ飽き足らず、酸をたくさん生成する酵母まで使ってる。その結果、酸度は4.1!!めちゃくちゃ高い!さあ、どんな味なんでしょう? こんなの楽しみでしかない!
香りから、もうわかります。熟成の甘旨。これは美味しそう!
口に含んだ瞬間から、濃厚甘酸どっかんどかん! そこからさらに甘味が広がって ずずずん! 濃い!!!
含み香も甘旨熟成が豊かにぼわん。後味もたっぷりじわん。それなのになぜか嫌らしさは全くなくて、ちょっとべたつくのに爽やか、、、は言い過ぎました。爽やかとは言わないまでも、すっきりと収まります。
なにこれ、めちゃくちゃ美味しいやん!!!
読後感の良い小説を読んだ後のような濃密な満足感がありました。
アテは、薄口の豆腐では当然のように太刀打ちできません。豆腐の風味なんて、澤姫さんを飲んだ瞬間に消し飛びます。まあ、こんなお酒、そんじょそこらのアテじゃ合わせるのムリですね。お酒単体でデザートに飲むのが良い感じ。あ、でも、お土産のおすそ分けでいただいた酒粕クッキーには意外に合ってました。スイーツならいけるかな?
スペックは、
蔵元:井上清吉商店(栃木県宇都宮市)
造り:純米酒 麹割合八割五分 生酛
原材料:栃木県産米
精米歩合:85%
アルコール度数:17% ・・・ 高い
日本酒度:-28 ・・・ 激甘
酸度:4.1 ・・・ 高っ!
酵母:KT-901
製造年月:2019年9月
出荷年月:2022年11月
KT-901酵母は、協会901号酵母を親株として、酸の生成が多いものを選別育種した酵母です。
ジブリじゃないけど例えると、有川ひろさんの小説「キケン」。
有川ひろさんと言えば、「図書館戦争」シリーズが最も有名ですね。僕もこのシリーズから入って、非常時の軍隊の描写と甘々恋愛の異次元融合にやられ、一気にファンになりました。かと思ったら、「県庁おもてなし課」のようなお仕事小説でも別の角度から魅せてくる。
そんな有川作品の中で、僕がいちばん好きなのがこの「キケン」です。キケンとは機械制御研究部のことで、工科大学のサークルです。わかりにくく例えると「究極超人あ~る」の光画部が大学生になって、リアルかつさらにエキセントリックになった感じ。やたらと濃い理系男子学生が繰り広げる濃密な青春群像劇です。
有川ひろさん、女性なのになんでこんなにオトコノコのツボをがっちり捕まえられるんだろ? あ~るが好きな方や理系男子には超絶おすすめです。
満足度:★★★★☆
今年の通常投稿はこれが最後。明日は、12月の振り返りと、年間総合ランキングをお送りします。
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