こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

白鷹 >じいじ(もののけ姫)[ジブリ酒]

白鷹(はくたか) 伊勢神宮御料酒】

酸旨苦 どクラシックな辛口酒

白鷹

白鷹
白鷹
白鷹

はじめましてのお酒、日本三大酒処のひとつ、灘・西宮郷にある白鷹(株)の白鷹さんです。スーパーで買ってきたお酒なんですが、特A地区吉川産の山田錦を使っているというのが凄い!

白鷹さんは、1862年(文久2年)に、初代辰馬悦蔵さんが創業。幕末ですね。
ん?辰馬? 辰馬と言えば、白鹿辰馬本家酒造さんですね。関係あるのかな?
と思って公式サイトを見てみたら、ちゃんと載ってました。辰馬悦蔵さんは、白鹿の辰馬家からの分家だそうです。なるほど白鷹さんは白鹿さんと親戚だったんですね。ちなみに5代目までは辰馬家の方が社長でしたが、現在の6代目社長は澤田朗さんという方です。

今回のお酒は、伊勢神宮御料酒。御料酒とは、伊勢神宮の神々の食事の時に供される清酒のことです。あまたある蔵元から、唯一白鷹さんだけが御料酒に選ばれたことを記念した特別純米酒。それは凄い!

さあ、どんなお酒かな? さっそくいただきます。

香りはおだやか、ほのツンアルコール。

口当たり、なめらかするりと淡く入って、クラシックな乳酸を中心に旨苦アルがほわん。最後にそれがぐっと広がって、苦渋後味じわっと残る。
どクラシックな辛口酒。

これは単体で飲むお酒じゃないですね。和食と合わせたら力を発揮するタイプの食中酒っぽいです。醤油よりも出汁と塩味が良さそう。

というわけで作ったのは、「やみつき塩豚レタス焼うどん」。うちの定番焼きうどんです。うん、これこれ。出汁塩で合わせたのが大成功でした。


ジブリで例えると「もののけ姫」のじいじ。冒頭のエミシの里のシーンで見張り台にいた老人です。歳は取ってもしっかりしていて、厳しい時代を生きてきた風格を感じます。

好き度:★★★☆

白鷹

白鷹
白鷹

【DATA】
蔵元:白鷹株式会社(兵庫県西宮市)
造り:特別純米 生酛造り
原料米:兵庫県特A地区吉川産 山田錦
精米歩合:70%
アルコール度数:16~17% ・・・ 高め
日本酒度:+3 ・・・ ちょい辛
製造年月:2023年12月


関連記事:

 

←投票リンク踏んでいただけると、とても嬉しいです。

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

 

結ゆい >先輩魔女さん(魔女の宅急便)[ジブリ酒]

結ゆい(むすびゆい) 特別純米 きたしずく 生原酒】

くっきりと ぽわ酸ほの甘 フルーティー

結ゆい

結ゆい
結ゆい

はじめましてのお酒、茨城県結城市・結城酒造の結ゆいさんです。
はじめましてと言っても、同じお蔵さんの富久福と、みちこざくらはだいぶ前に飲んでます。結ゆいさんもずっと飲みたかったんですが、ようやく会えました。

覚えている方も多いと思いますが、2022年5月11日、国の登録有形文化財でもあった結城酒造さんの酒蔵二棟が、火事で焼失してしまいました。
その後、北海道の三千櫻酒造さんの力添えで、蔵元杜氏の浦里美智子さんが北海道に渡り、三千櫻酒造さんで酒造りをされています。今回のお酒も三千櫻酒造で造ったもの。しかもお米も、北海道の酒造好適米・きたしずくです。

そんな苦労を乗り越えて造られたお酒。しっかり味わいましょう。

香りは爽やかフルーティー。メロンとマスカットと爽やかアルコールがほわん。

口当たり、酸味がぽわん、ほの甘味。くっきり酸味がふくらんで、後半出てくる旨苦じわり。酸味中心フルーティーだけど、その中心にはしっかりクラシックが主張しています。含み香は、ハーブと酸とアルコールがツンっ。

酸味が中心だからそんなに得意なタイプじゃないんだけど、この子は素直に美味しかったです。

アテは、隣のお客さんの差し入れをおすそ分けでいただいた、グリル梵というお店のビーフカツサンド。これがめちゃくちゃ合いました。甘口ソースの効いた旨味たっぷりのカツに、お酒のフルーティーさがほわあ。

ジブリで例えると「魔女の宅急便」の先輩魔女さん。ちょっとツンとしたかわいい魔女さんで、去り際がちょっと気取って爽やかです。でも、芯には1年間苦労した経験がしっかり蓄積されてそう。

好き度:★★★★

結ゆい

結ゆい

【DATA】
販売者:結城酒造株式会社(茨城県結城市)
製造者:三千櫻酒造株式会社(北海道上川郡東川町)
造り:特別純米 生酒
原料米:きたしずく
精米歩合:60%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
製造年月:2024年2月


関連記事:

 

←投票リンク踏んでいただけると、とても嬉しいです。

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

 

巖 >ニシンのパイを作るおばあちゃん(魔女の宅急便)[ジブリ酒]

(いわお) 十一代 旨味純米酒

おだやかな やさしい蜜に 包まれて

巖

巖
巖

はじめましてのお酒、巖さん。群馬県藤岡市・高井(株)さんのお酒です。
「巖」は「巌」の旧字体。意味としては、岩とか、ゴツゴツした大きな石とかです。巌窟王とか、君が代の歌詞に出てくる「巌となりて」くらいでしか見たことのない字。漢検1級 / 準1級レベルの漢字です。

銘柄名の由来は、西郷隆盛の甥であり、日清日露戦争の英雄にして「陸の大山、海の東郷」と云われた大山巖 元師・陸軍大将の名前だそう。なるほど、漢字のイメージに違わずいかついですね。

高井(株)さんは享保14年(1729年)に初代・高井作右衛門さんが創業。最盛期は3000石(一升瓶換算で30万本)を造っていたのですが、最近はかなり生産量を落としていたそうです。そんな中、2022年に10代目高井作右衛門さんが逝去。その頃には既に資金繰りが破綻し、会社存続の危機に直面していました。

そんな酒蔵を継いだのが、現在の社長・伯耆原幹夫さん。それまでホームページはおろかチラシさえ作っていなかった蔵を救うべく奔走し、昨年はクラウドファンディングも立ち上げて目標比145%の433.8万円を調達されています。
僕はそのクラファンは知らなかったのですが、読むと応援したくなりますね。ぜひ無事に300周年を迎えてほしいです。

今回のお酒「十一代」は、高井家11代目・高井幹人さんのこと。いろいろ調べると、高井幹人さん、凄い方みたいですね。慶應義塾大学商学部に入学後、京都大学文学部へ転学。卒業後は一般企業の営業職として働きますが、29歳で家を継ぐ決意をして実家に戻られます。そこから酒造りを始められて、かなりファンも付いていたよう。ファッション・カルチャー雑誌・GQ JAPANに、2013年の記事が残っていました。

しかし、2020年頃、高井幹人さんは実家を離れられます。何があったのかはわかりません。でも、それを残念がる声をあちこちで見ました。現在はどこかの酒蔵で酒造りをされているようです。

このお酒は、2023年に発売されたもの。上記クラウドファンディングの活動報告によると、「高井家十一代目が精魂込めて仕込んだお酒に、満を持して陽の目を浴びる機会が訪れました」とのこと。群馬県前橋市の酒販店・高橋与商店さんのサイトには『高井の営業さんと問屋の担当者と以前会話した内容から察すると高井幹人氏が醸した純米酒ブレンドしたものと思います』と書かれていました。『蔵に眠っている当時の幹人氏が醸したお酒は、恐らくこれが最後になるのではないかと推測します』とも。

実はこのお酒を選んだのは、単に11という数字が入ってたから。僕は数字の付いたお酒をいろいろ飲んでるんですが、11~20では11と15だけがまだだったんです。でも偶然に、とても貴重なお酒に巡り合えたみたい。心して飲んでいきましょう。


香りはとてもおだやかで、ほのかに蜜甘熟成感。熟成感がやさしくて、ほわほわ気持ち良い。あ、これは美味しいやつ。

口当たりはきれいにするり。そこから軽い熟成っぽい蜜甘酸がふわり。味と言うより含み香が熟成な感じですね。甘味酸味がほわっとふくらんできれいに消えていきます。
うっま!!!

熟成感はありますが、劣化はまったく感じず、おだやかな蜜甘と乳酸がやさしく包んでくれます。美味しかった~。


アテには、さつま揚げを注文。ここのさつま揚げ、やさしい甘味としっかり旨味で好きなんですよね。お酒にもばっちり合いました。

ジブリで例えると「魔女の宅急便」の老婦人。ニシンのパイや、キキへのプレゼントのケーキを焼いてくれる人。きれいな歳のとり方をしていて、上品なやさしさで包んでくれます。

好き度:★★★★☆

巖

巖
巖

【DATA】
蔵元:高井株式会社(群馬県藤岡市)
造り:特別純米
精米歩合:60%
アルコール度数:16~16.5% ・・・ 高め
日本酒度:+2 ・・・ ちょい辛
酸度:1.5 ・・・ 普通
製造年月:2023年8月


関連記事:

 

←投票リンク踏んでいただけると、とても嬉しいです。

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

 

[特集]鬼ころし

鬼ころし

鬼ころしというお酒をご存じの方は多いでしょう。コンビニやスーパーで普通に売ってますしね。僕は、鬼ころしはパックで売ってる安いお酒で、年配の方が飲むものという印象を持っていました。同じような印象を持っている人は多いんじゃないかな?
でも、実際にはどうなんでしょう? 僕も鬼ころしを飲んだことはないですし。というわけで、コンビニで売ってるメジャーな鬼ころし3種類を買ってきました。これを飲み比べするとともに、鬼ころしについて深掘りしたいと思います。

 

鬼ころし、飲んだことある?

と、その前に、みなさん鬼ころしって飲んだことあるのか?美味しかったのかのアンケートを取ってみました。ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました。

これは面白い結果が出ましたね。最も多いのは、「飲んだことある&好き」という回答。飲んだことがある人の中では過半数が好きと答えていますが、苦手という方もけっこういます。一方、飲んだことのない人では「苦手そう」が圧倒的。つまり、大多数が飲まず嫌いということです。飲んだら意外に美味しいかもしれませんよ。
ただし、このアンケートの回答者は、僕のブログの読者さんやフォロワーさんを中心に、日本酒が好きな方が多いと思われます。日本人全体の意見とは異なる場合があることにご注意ください。

 

鬼ころしってどんなお酒

さて、まずは鬼ころしとはどんなお酒なのかについて調べてみましょう。鬼ころしは辛口のお酒の代名詞ともなっており、実際に辛口が多いようですね。
Wikipediaによると、鬼ころしは「鬼のように頑強な男でも酔い潰れてしまうほど純度の高い酒」とのこと。
ちなみに元ネタは平安時代にまで遡ります。実在の武将・源頼光大江山に住んでいた鬼・酒呑童子(しゅてんどうじ)を酔わせて打ち取ったという伝説が元々の由来。そこから、鬼も退治できるほどのお酒を鬼ころしと呼ぶようになりました。

ただ、個人的にはひとつ疑問があるんです。
「大江山絵詞」でも「御伽草子」でも、酒呑童子を酔い潰したお酒って、毒酒なんですよね。そんな名前を付けていいのかな?

 

鬼ころしの歴史

先程「3種類買ってきた」と書いた通り、鬼ころしは単一の銘柄ではなく、いろんなお蔵さんから発売されています。Wikipediaには19種類が載っていますね。一説には100を超えるとも言われています。でもこの「鬼ころし」という名称、いつからあるのでしょう?
調べても確実な答えは見つからなかったけど、ある程度の目星は付けることができました。

元祖・鬼ころしを称しているのは、岐阜県高山市老田(おいた)酒造店さんの「飛騨自慢 鬼ころし」。老田酒造店さんは1720年(享保5年)創業。第8代将軍・暴れん坊・徳川吉宗公の治世で、享保の改革の真っ只中。江戸に町火消「いろは組」が作られたのがこの年です。老田酒造店さんの公式サイトには、年代は明記されていないものの、『古い時代より辛口の酒を造り、地元の方々より「老田の鬼ころし」として愛飲され続けています』と書かれています。また、exciteニュースに老田酒造店に伺ったという記事があり、そこでお蔵さんが「おそらく当社が“鬼ころし”を作った最初の蔵だと思います」と語られています。

そしてもうひとつ参考になるのが、同じく多数のお蔵さんから出ている「正宗」。前に櫻正宗さんの記事で書いたように、正宗という銘柄も多数のお蔵さんが使っています。その発祥も1840年と江戸時代。元祖・櫻正宗さんの正宗が有名になったため、マネをする酒蔵が次々に現れました。まあ、商標の制度もない時代ですからね。その後、明治17年(1884年)に日本最初の商標法である「商標条例」が制定されます。でもその頃には、あまりに正宗というお酒が多すぎて普通名称扱いされていまい、櫻正宗さんは正宗の商標を取れなかった。鬼ころしもこれ同じじゃないでしょうか?
つまり、鬼ころしが誕生したのは、江戸中期から明治初期までのどこかという推測ができるわけです。

 

鬼ころしを飲んでみよう

今回飲んだのは、清洲城信長日本盛武蔵之国一之宮の3本。いずれもコンビニで買ってきたものです。細かいレビューやお蔵さんの紹介については個別の記事を見ていただくとして、ここでは比較表を見てみましょう。

鬼ころし 比較

価格はどれも1合で100円ちょっと。かなり安いですね。今回は紙パック3種だけですが、ほかにいくつか調べた他社の鬼ころしも、安いものが多かったです。
製法については、清洲城信長さんと日本盛さんが糖類・酸味料を添加している典型的な安酒なのに対して、武蔵之国一之宮さんはアル添のみというところがとても好印象。
味わいはどれもやっぱり辛口寄りですが、清洲城信長さんは日本酒度が普通の範囲の+1ですし、比較的飲みやすかったです。後味は、武蔵之国一之宮さんが、妙なべたつきが無くて良いですね。
好き度は3本で見事に分かれました。ちなみに2023年に僕が飲んだ372杯の好き度分布はこんな感じ。
  ↓

好き度

これを見ると、鬼ころしは全体的に低いのがわかります。ただこれは、僕がどちらかと言うと甘口の方が好きだからということが影響しています。

 

鬼ころしはどんな人におすすめ?

もちろん僕が飲んだのは今回の3本だけです。他にタイプの違う鬼ころしもあるかもしれません。でもあえて、今の状態で鬼ころしをおすすめするとしたら、普段から日本酒を飲み慣れていて、辛口が好きな人、もしくは、単に速く安く酔いたい人です。
初心者さんにはおすすめできません。正直、あんまり飲みやすくはない。辛口のお酒は、単体で飲むよりも料理と合わせて力を発揮するタイプが多いので、より美味しく飲むなら合うアテが欲しいですね。お店ならそのあたりを店員さんに頼ることもできますが、鬼ころしって居酒屋ではあんまり見ないんですよね。
ちなみに、1円あたりのアルコール含有量で言うと、どれもだいたい0.2ml/円くらいで、ストゼロとだいたい同じです。どちらを飲むか、またはどちらも飲まないかはお好みで。


という訳で、鬼ころしの特集でした。僕の好みではないものもありましたが、ひとえに鬼ころしと言っても思った以上に差があったのが面白かったです。
なお、僕の好みのお酒を知りたいという方がいらっしゃったら、こちらの記事をご覧ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


更新履歴:2024/4/14 アンケート集計完了を受け、「鬼ころし、飲んだことある?」の部分を改訂しました。

関連記事:

 

←投票リンク踏んでいただけると、とても嬉しいです。

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

 

 

 

妙高山 > お絹さんをおんぶする男の人(風立ちぬ)[ジブリ酒]

妙高山(みょうこうさん) 純米吟醸 ピンククローバー】

酸旨の 爽やか辛口 クラシック

妙高山

妙高山
妙高山
妙高山

はじめましてのお酒、 新潟県上越市妙高酒造さんの妙高山です。
妙高酒造さん、面白いのは、全種類のお酒に2つの酵母を使ってるんだそう。「二段酵母仕込」と呼ぶんだとか。これは、どのくらいの配分にするかなども含めて、より技術とノウハウが必要そうですね。

今回のお酒は、春の限定酒。秋のリッチハートから始まり、冬のフレッシュスペード、春のピンククローバー、夏のクールダイヤモンドと続くそうです。
ラベルデザインは、クリスタルアート作家の堀田真澄さん。クリスタルアートというのは、ガラスのパーツやスワロフスキーのクリスタルに、細かい模様を描き込んだ一点モノのアクセサリー。公式サイトでその作品を見ることができます。

それでは、飲んでいきましょう。

香りは爽やか アル酸ハーブ。きれいなアルコールと、甘くないマスカットの酸と、爽やかハーブです。

口当たり、するり爽やか酸旨味。そのうまみがぽわっ! 裏ラベルには「甘口」って書いてあるけど、これは爽やかクラシックな辛口ですね。ラベルのようなアリスっぽさはあんまり感じませんでした。

ホタルイカ
これにはやっぱりクラシックなアテを合わせたいですね。というわけで注文したのはホタルイカ。うん、これこれ!

ジブリで例えると「風立ちぬ」の序盤に1シーンだけ登場する、お絹さんをおんぶする「いい男じゃねえか。なあ、お絹坊」の男の人。ねじり鉢巻きが爽やかな、クラシックなイケメンです。

好き度:★★★☆

妙高山

妙高山

【DATA】
蔵元:妙高酒造株式会社(新潟県上越市)
造り:純米吟醸
原料米:五百万石
精米歩合:55%
アルコール度数:15~16% ・・・ 普通
製造年月:2024年2月


関連記事:

 

←投票リンク踏んでいただけると、とても嬉しいです。

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

 

 

武蔵之国一之宮 > ミト(風の谷のナウシカ)[ジブリ酒]

鬼ころし飲み比べ③【武蔵之国一之宮(むさしのくにいちのみや) ゴールド鬼ころし

辛口で 苦味もあるけど 真面目な酒

武蔵之国一之宮
武蔵之国一之宮
武蔵之国一之宮
武蔵之国一之宮
武蔵之国一之宮

鬼ころし飲み比べ企画の第3弾は、こちらもコンビニで買ってきた武蔵之国一之宮さん。清洲城信長・日本盛ほどではありませんが、広く流通している鬼ころしです。
造っているのは、小山本家酒造さん。埼玉県さいたま市のお蔵さんで、だいぶ前に「天狗のどぶろく」を飲んだことがあります。2016年の日本酒売上ランキングでは6位に入っている超大手メーカーですね。でも、小山本家酒造さんを語るなら、触れなければいけないのが世界鷹小山家グループ。

世界鷹小山家グループは、(株)小山本家酒造を中核とし、(株)北鹿・越後桜酒造(株)・雪椿酒造(株)・(株)京姫酒造・(株)小山本家酒造 灘浜福鶴蔵の計6つのお蔵さんと、卸の(株)サイタマ酒販、そして(株)共同精米で構成される企業グループです。見る人が見ればわかるこの凄い構成企業!

それぞれのお蔵さんの代表銘柄を挙げると、
小山本家酒造 ・・・ 金紋世界鷹、天狗のとぶろく
北鹿 ・・・ 北秋田北鹿
越後桜酒造 ・・・ 越後桜
雪椿酒造 ・・・ 越乃雪椿、月の玉響、ゆきつばき
京姫酒造 ・・・ 京姫、匠、かみなり三代
灘浜福鶴蔵 ・・・ 浜福鶴、七ツ梅
地酒屋さんではそれほど見ませんが、スーパーやドラッグストアの日本酒棚では圧倒的な強さを誇っています。売上高上位の白鶴・月桂冠・松竹梅・大関さん等もパック酒やカップ酒はどこでも見かけますが、それよりワンランク上の瓶の日本酒では、世界鷹小山家グループのシェアの方が高いんじゃないかな?

で、鬼ころし飲み比べのトリを飾るのがこちらの武蔵国一之宮ゴールド鬼ころしです。でもすいません、実は武蔵国一之宮という銘柄名は、これを書くまで気付いてませんでした。

一之宮や一宮という地名は全国各地にありますね。これは、地域の中で最も社格の高いとされる神社のこと。つまり武蔵国一之宮とは、武蔵の国にある一番の神社ということです。

ただ、ややこしいことに、武蔵国の一之宮を称する神社は、東京都多摩市の小野神社、さいたま市大宮区氷川神社さいたま市緑区の氷川女体神社の三か所あるんですよね。小山本家酒造さんから近いのは氷川神社だから、この銘柄はここのことかな?

さてそれでは、飲んでいきましょう。
清洲城信長・日本盛と同じように、冷蔵庫で冷やしてまずはストローで。

香りは例によってありません。
口当たりはするっとほの酸。酸がぽわっとふくらんで、苦味がじわっと出て締める。後味は、苦味がはっきり残ります。でもそれはあんまり嫌な苦さじゃない。
含み香はアル苦旨。アル添感はやっぱりありますね。でも後味に妙なべたつきやエグ味がないのが良いです。
味わいは好きな方向性ではないんですが、それは単に好みの問題。今回の飲み比べの中では最も好感が持てました。

ちなみにこのお酒、今回の3つの中で唯一の、糖類酸味料無添加です。ちゃんと造ってる!


アテは、醤油や出汁と合いそうな感じ。お刺身なんかと合わせたいですね。
ここで好奇心に負けて、普段は絶対にやらない禁断のアテを作ってみます。作るというのもはばかられますが、醤油とほんの少しの砂糖と味の素を混ぜるだけ。それをなめてからお酒を飲むと、あら不思議。お酒の酸味がまろやかになって、苦味のカドも取れてます。ほんのり甘味も感じられる。そんなに美味しいものじゃないけど、ちゃんとお酒を美味しくしてるから良いアテ。でも健康には良くなさそうだからマネはしないでくださいね。

ジブリで例えると「風の谷のナウシカ」のミト。いかつい顔をしてるけど、真面目で忠実な城オジです。

好き度:★★★☆

武蔵之国一之宮

【DATA】
蔵元:株式会社 小山本家酒造(埼玉県さいたま市)
造り:普通酒 四段仕込
精米歩合:75%
日本酒度:+5.0 ・・・ 辛口
酸度:1.2 ・・・ 低め
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月:2023年12月


関連記事:

 

←投票リンク踏んでいただけると、とても嬉しいです。

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

 

日本盛 > 猩々(もののけ姫)[ジブリ酒]

鬼ころし飲み比べ②【日本盛(にほんさかり) 鬼ころし

乳酸と 穀物旨渋 アルコール

日本盛

日本盛
日本盛
日本盛
日本盛
日本盛

鬼ころし飲み比べ企画の第2弾は、日本盛さん。これもコンビニでよく見るやつですね。
実は、今回の企画の鬼門がこちら。日本盛さん、前に缶入りの生原酒シリーズ飲み比べをやって、正直好みじゃなかったんですよね。
その時は「ガチ対決!日本盛 生原酒シリーズ vs. 月桂冠 THE SHOTシリーズ 飲み比べまとめ」という企画で、生原酒シリーズ4本とTHE SHOT 4本を比較したんですが、僕の好みとしてはTHE SHOTの圧勝でした。キツい企画だった、、、

それ以来、日本盛さんはちょっと避けてたんですが、鬼ころしで日本盛さんを外すわけにはいきませんよね。原酒シリーズとは違ってアルコール13度の低アルだから飲みやすいことに期待して、飲んでいきましょう。

清洲城信長さんと同じく、冷蔵庫で冷やして、まずはストローから。

香りは当然、感じません。
口に含むと、酸旨渋。乳酸と穀物旨と控えめ渋。それがぐわっと広がって、旨酸渋の後味じわん。13度の低アルなのに、味わいは強くてアルコール感もしっかり。良く言えば飲みごたえがあります。

日本盛
グラスに注いでみましょう。

色は透明。ちょっととろんとしてるかな。
香りは穀物+お米の旨さとほんのりアルコール。
味わいの印象はあまり変わりませんね。やっぱり、ツンとする安っぽいアルコールの含み香と、口に残って喉にもひっかかる酸渋後味べたつき感が気になります。

好きな人にはごめんなさい。僕はこれは好きじゃない。
ん?まだ半分も飲んでないのに、ちょっと酔いが回ってる感じ。頭が痛い気もします。手っ取り早く酔うにはいいかもしれませんね。

ちなみに温度帯は、冷たい方がマシ。あたたまると渋エグ雑味がより気になります。

ジブリで例えると「もののけ姫」の猩々。猿っぽい神様っぽい何かです。
犬神は苦手みたいですね。犬猿の仲なのかな?

好き度:★★☆

日本盛

【DATA】
蔵元:日本盛株式会社(兵庫県西宮市)
造り:普通酒 糖類酸味料添加
日本酒度:+3 ・・・ ちょい辛
酸度:1.2 ・・・ 低め
アミノ酸度:1.0 ・・・ 低め
アルコール度数:13% ・・・ 低い
製造年月:2023年12月


関連記事:

 

←投票リンク踏んでいただけると、とても嬉しいです。

ブログランキング・にほんブログ村へ