【澤乃井 本醸造大辛口 男酒】
厳しいと 見せかけといて 優しさも
1合瓶の「蔵べる」シリーズ15本目。初めましてのお酒、東京都青梅市・小澤酒造さんの澤乃井です。なんというか、わかりやすいラベルですね。蔵べるシリーズの中で日本酒度がダントツに高い+12。得意分野ではないのですが、このシリーズは意外に辛口の方が良い気もしてきたので、ちょっと期待してます。飲んでいきましょう。
まず常温で味見。
香りは、お米の旨味と乳酸とアルコール。確かに辛口な感じがします。
口当たりはするり。スモーキーさを感じる酸味と旨味が控えめに入ってきます。甘味は、一瞬気配だけ感じるんだけど、すぐにいなくなる。
味わいは控えめなまま続きます。そして終盤になってようやく、アルコール感に誘われて酸味と旨味がふわっと広がります。苦味もほんのり。
びっくりしたのが後味。大辛口なんだからビリビリ残るのかなと予想してたんですが、ま反対。スパっと切れて、後味が全く残りません。めちゃくちゃきれい。
常温でこう来るとは完全に予想外でした。しかも食事との相性も良さそうです。冷やしてみましょう。
キンキンにひやしたら、香りはほぼ消えました。
味わいは、酸味と苦味が立ってしまって、ちょっと飲みにくい。常温の方が良かったかな? でも、どこか化けそうな予感があるので、ちょっと放置してみましょう。
で、3日後にもう一度冷酒でいただきました。お!落ち着いて優しくなってる。
するっと入ってきて、酸味と旨味がふわっと広がって、きれいにすぱっと切れます。確かにめっちゃ辛口なんだけど、ほのかな優しさを感じる、嫌味のない辛口です。
食事との相性も良いですね。和食全般合いますし、この日作ったスタミナ丼にだって合いました。濃い味付けをスパッと切ってくれる。
公式サイトによると、スペックは、
アルコール度数:15~16% ・・・ 日本酒としては普通だけど、このシリーズでは高い方ですね。
精米歩合:65% ・・・ そんなに削ってないわりにはきれいな酒質でした。
日本酒度:+12 ・・・ 大辛口。甘味は最初に気配を感じるだけで、それ以降は全く登場しません。
酸度:1.6 ・・・ 普通か、ちょっとだけ高め。でも、カドが取れて良い感じ。
アミノ酸度:1.1 ・・・ 低いです。確かに凄くきれい。
ジブリ例えると「風立ちぬ」の黒川さん。主人公・二郎の上司です。いつも怒ってる印象があるし、仕事には厳しい。でもよく付き合ってみると、厳しい中に優しさが見えてきます。危険があるのに二郎をかくまうとか、男気にもあふれています。
満足度:★★★☆
「黒川が短い脚で どう自転車をのってきたか誰も知らない」
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) 2021年8月27日
絵コンテの注釈には、こう書かれています(笑)。#風立ちぬ pic.twitter.com/mWF5RKjTf2
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