【国権 てふ 純米生酒】
ふんわりと スーパーなめらか クラシック
はじめましてのお酒、福島県南会津郡・国権酒造さんの国権です。
なかなかいかつい名前ですよね、国権さん。元々は細井醸造本舗という名前だったのが、辻説法をしていた僧侶によって国権と名付けられたんだそうです。でもそれがいつなのかも、僧侶の名前も伝わってはいないんだとか。ちょっと残念。
今回のお酒は「てふ」。てふ←てふてふ←蝶々。お蔵さんのある会津田島に、日本の国蝶・オオムラサキが生息していることから名付けられたんだそう。さらに、オオムラサキの成虫は年に1回だけ6~7月に発生することから、期間限定という意味もあるんだとか。
なるほど、てふさんに会えたのはラッキーということですね。
それでは飲んでいきましょう。
香りは、ふわ旨。フルーティーさはまったくない、クラシックタイプですね。お米の旨さが美味しそう。
口当たりは、とろりなめらか水のよう。これは淡麗ですね。そこから酸旨ほの甘 やさしくふわり。
超ライトクラシックです。軽~い。そして、ほのかな米旨とほんのりアルコールを残して、何もなかったかのように消えていきます。インパクトなんて言葉の対極にあるような、なめらか淡麗。温度が上がると少し酸が起きてくるけど、それでもめっちゃなめらかです。
いや、このなめらかさは凄いですよ。喉を通る感覚がありません。こんなになめらかなの、十四代様くらいでしか知らないかも。でも、お酒のタイプは全然違うんですよね。面白いなあ。
アテは、引き続きお造り盛り合わせ。もちろんお造りにも合ってて、旨味がふわっと広がるのが気持ち良いです。でもこの子、醤油だけでも飲めてしまいます。醤油美味しい。
ジブリで例えると「レッドタートル」のカニ。
「レッドタートル」は、2016年公開の、ジブリの中では飛びぬけてマイナーな作品。監督は、オランダ出身のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットさんで、日本・フランス・ベルギーの3か国による合作です。カンヌ国際映画祭の、独自で特異な作品に与えられる「ある視点」部門特別賞を受賞しています。
全編通して一切セリフがないという、かなり前衛的でアーティスティックな作品です。でも、とても美しいし、見終わった後に、不思議な深い後味が残ります。独りのちょっと寂しい夜なんかにおススメですよ。
で、この作品に例える時には毎回言ってるんですが、カニがかわいい。
ほんと、ただのカニなんです。擬人化されてるわけでもないし、活躍するわけでもない。ただそこにいるだけ。でも、なぜかめちゃくちゃ印象に残ります。
好き度:★★★★
レッドタートルはカニさんに超癒されるのでみんな観ましょう。甲殻類に萌えるんですよ、ウソみたいでしょう。 pic.twitter.com/zxXc2Mpu8L
— papiko (@papiko5656) 2016年9月28日
【DATA】
蔵元:国権酒造株式会社(福島県南会津郡)
造り:純米 生酒
原料米:麹米/山田錦、掛米/夢の香(かおり)
精米歩合:60%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:±0 ・・・ 普通
酸度:1.3 ・・・ 低め
製造年月:2023年1月
- 価格: 1650 円
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