【鳳凰美田 ミクマリ 純米大吟醸酒 生酒】
酸ふわり 苦旨じわり 軽快に
日本酒会の6杯目。見たことのない鳳凰美田さんです。
こちらは、4月下旬に六本木ヒルズで開催された、サッカー元日本代表・中田英寿さん主催のイベント「CRAFT SAKE WEEK 2024」で先行リリースされて、一番人気になったというお酒です。
ミクマリという名前は、
裏ラベルを見ると「しぼったまま、生まれたままの日本酒を可能な限りそのままお届けいたします」と書かれていますね。他のお酒とは製法が違うのでしょうか? 調べてみてもよくわかりませんでした。でも、鳳凰美田さんの新作で純米大吟醸ですからね。これは期待せざるを得ない。さっそく飲んでいきましょう。
香りはやさしく苦フローラル。ほのかに梨のフルーティー。
口に含むとおだやかに、じんわりしゅわっと炭酸感。ほんわりマスカットの酸がいて、それがふわっと広がった後、引いていきつつ苦旨じわん。ミネラル苦と米旨ですね。そんなに甘味は大きくなくて、フルーティーだけどジューシーじゃない。アルコール感は普通にあるのに、なぜかふんわり軽快です。
ふむふむ美味しい。いつもの鳳凰美田さんよりも甘フルーティーさが控えめで、お米の旨味とミネラル苦味がはっきりしています。やさしくて、優秀。ただ、鳳凰美田さんの甘旨フルーティーさを期待すると、肩透かしを食らうかもしれません。
ジブリで例えると「紅の豚」のフェラーリン。主人公ポルコの旧友で、やさしい良い男です。そして実はめちゃくちゃ優秀。
物語の時代の少し前に起こった第1次世界大戦は、当時史上最も戦死者の多い戦争で、もうこんなに大きな戦争は二度と起きないだろうと言われていました。だから戦後、それまで戦闘機に乗っていたパイロットのほとんどが問答無用で解雇されたんです。そんな元従軍パイロットたちは、危険な曲芸飛行で稼ぐか、サン・テグジュペリの「夜間飛行」で描かれているような、戦争以上に死亡率の高い郵便飛行機のパイロットになるかしていました。またはこれは宮崎駿監督の創作ですが、空賊や賞金稼ぎになるかですね。ポルコも空賊連合も、みんな元は従軍パイロットです。
そんな中で軍に残って少佐まで昇進したフェラーリンは、間違いなく優秀。でもそんな彼も「国家とか民族とか、くだらないスポンサーをしょって飛ぶしかないんだよ」って言っているあたりに、ほのかな苦味が現れています。
好き度:★★★★
さらばイラスト界の自由と放埒の日々よ、ってワケだ
— サーベルラック@佐世保宇宙造船 (@rgm147jvs) 2023年6月11日
ところで、このシーンのポルコとフェラーリンの距離感近くて戦友!って感じするの良いよね#紅の豚 pic.twitter.com/uNeP5K279x
【DATA】
蔵元:小林酒造株式会社(栃木県小山市)
造り:純米大吟醸 生酒
原料米:栃木県産米
精米歩合:50%
アルコール度数:15~16% ・・・ 普通
製造年月:2024年6月
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