こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

若波 > 澤村雄一郎さん(コクリコ坂から)[ジブリ酒]

若波わかなみ 本醸造

味の波 次々押し寄せ すっと引き

若波

若波
若波

なまおコメ呑み会のお酒⑦、しばらくぶりの若波さん。福岡県大川市・若波酒造さんのお酒です。

若波という銘柄名の由来は、蔵の傍を流れる筑後川のような「若い波を起こせ」という意味。「味の押し波・余韻の引き波」をコンセプトに酒造りをされています。
波というと海の波を想像しますが、若波さんの波は川なんですね。ただ、川の波と言っても油断はできません。筑後川は、利根川吉野川とともに、日本三大暴れ川と呼ばれている川。室町時代には一夜川と呼ばれていて、その意味は「洪水によって一夜にして荒地になってしまう」からです。先人の治水の努力によって、近年はさすがにそこまでの災害はなくなっているようですが、1953年(昭和28年)の洪水では流出全半壊が12801戸と大きな被害を出しました。最近でも2020年に上中流部で氾濫が起きています。若波酒造さんはだいぶ河口に近いところにありますが、僕がイメージしている川の波よりもだいぶ荒々しいんでしょうね。

こちらのお酒は、兄ルーさんのご提供。兄ルーさんは遠方なので参加はできないのに、わざわざ送っていただいたんです。ありがとうございます。
味覚の解像度が凄い兄ルーさんの提供。しかも、凄いお酒が集まるイベントにあえて本醸造というのが逆に面白い。これは期待!

それでは、いただきます。

香り華やか青リンゴとマスカット。奥にほんのりセメダイン。
セメダインの香りって、知らないと「え?」って思いますが、酢酸エチルという、熟れたバナナやメロンなどにも含まれている香りです。これが強いとちょっとキツいんですが、控えめならフレッシュで華やかになります。この若波さんの場合、ちょうどよくフルーティーでフレッシュで爽やか。良い香り! 香りだけで勝利確定です。

口に含むと酸甘ぽわん。フレッシュフルーティーな酸に続いて、メロンのような糖分の甘味。そしてお米の旨味が広がり、最後はアルコール感がカッコよくぽわあああ。
うっま!!!
なるほど「味の押し波・余韻の引き波」。味わいが次々に押し寄せてきたかと思ったら、きれいにすっと切れます。カッコいい!!

ジブリで例えると「コクリコ坂から」の澤村雄一郎さん。主人公・海ちゃんの、大好きなお父さんです。キリっとカッコいいだけでなく色気もたっぷりなイケメン。硬派なんだけど駆け落ちするくらい情熱的。

後から調べたらこのお酒、福岡県酒類鑑評会2019年・2021年・2022年の吟醸本醸造部門で3回連続で1位県知事賞(2020年はコロナのため開催なし)。2023年も2位議会議長賞を受賞しているという超実力派でした。そりゃ美味いわ。

好き度:★★★★☆

若波

若波
若波

【DATA】
蔵元:若波酒造合名会社(福岡県大川市)
造り:本醸造
精米歩合:70%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月:2024年4月


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