こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

羽根屋 > 風になる(猫の恩返し)[ジブリ酒]

羽根屋(はねや) SHINE(シャイン) 13度生原酒】

やわらかい 甘味がシャインマスカット

羽根屋

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お久しぶりの羽根屋さん。富山県富山市富美菊(ふみぎく)酒造さんのお酒です。1年半ぶりですね。前回月下美人酵母のお酒で、年に1晩しか咲かないという月下美人の花とこのお酒の写真を撮ることができたという幸運にも恵まれました。

富美菊酒造さん大正5年(1916年)創業。現在の蔵元で杜氏も務めるのは、4代目の羽根 敬喜(はね けいき)さんです。
敬喜さんは千葉大学卒業後、大手発酵メーカー・協和発酵で3年間修業。先輩には黒龍の水野社長、後輩には来福の藤村社長がいるという環境でしたが、敬喜さんは酒造りへの興味も熱意もセンスもなかったそうです。

その後、1995年に蔵に戻りますが、「正直、会社があと3年持つかどうか……」という厳しい状況だったそう。当時、富美菊酒造で造っていたのは普通酒、特にパック酒が中心で、質も良くはなかったそう。杜氏さんは鑑評会金賞も獲れる実力のある方だったけど、そもそもの造り方が普通酒では違ったんですね。

そこで、敬喜さんは全てのお酒を大吟醸と同じような洗米・限定給水をしたいと提案します。でもこれは、手間が大幅に増えるので、蔵人全員に大反対されてしまいます。まあ、わかる。僕だって手間が増えるのは嫌です。でも、敬喜さんはもう昔の熱意のない雇われ社員ではありませんでした。「洗米は自分でやるから」と説得し、実際に自分とお兄さんとアルバイトの3人だけで、朝飯5分、昼飯5分以外はずっと米を洗い続けたそう。そうして出来上がったお酒は、酒質は大幅に改善し、杜氏も蔵人も何も言わなくなりました。

その後、2002年に新ブランドとして「羽根屋」がデビュー。人気になっていきます。敬喜さんも、元々好きで始めた仕事ではなかったけど、思う存分酒造りがしてみたいと思うようになり、2010年に杜氏に就任します。

今回のお酒は、そんな羽根屋の季節限定低アル無濾過原酒です。
それでは飲んでいきましょう。

香りはほとんど感じません。まあ、低アルにはよくあることですね。

口当たり、ぽわんとやわらか甘酸フルーティー。お! うまっ!
商品説明に「ライムやグレープフルーツを思わせる鮮烈な柑橘系の香り」って書いてたから、もっと酸っぱいのを予想していたけど、ちゃんと甘いです。その一瞬後にチリチリ微細な炭酸感。

なるほどシャイン。これはシャインマスカットですね。マスカットってそこそこ酸味があるけど、シャインマスカットは甘味の方が印象的ですよね。あんな感じ。

そのかわいくてきれいな甘味がぽわっとふくらみます。旨味は控えめ。苦味もかすかで、最後にブドウっぽい渋味がじんわり。
うっまああああ。
甘味酸味が大きいわけじゃないけど、旨苦が控えめだから甘酸が目立ちます。アルコール感もおとなしくて爽やか。めちゃくちゃ美味しいです!!

温度は、しっかり冷やしても美味しいけど、涼冷え(15℃)くらいになるとやわらかい甘味が開いて良いですね。


初日のアテは、ベビーチーズ(柚子胡椒入り)と、スルメイカの唐揚げ。
べビーチーズは、柚子胡椒の辛味でお酒の甘味を引き出す作戦です。でも、これが思ったよりも辛くはなくて、塩味が予想以上に強い。お酒が負けちゃいました。このお酒、あんまり濃い味のアテには合わないようです。
でも、スルメイカの唐揚げにはばっちり。イカの旨味に、控えめだったお酒の旨味が引き出されてほわわ。その後ろから甘味がぽわん。良いね!!

この結果を元に次の日に作ったのは、「美味しさ2倍トマトのガーリックオイル和え」と「生ハムとルビーグレープフルーツのレモンマリネ」。


トマトって旨味成分のグルタミン酸がたっぷりで、意外に日本酒に合うんです。特に甘フルーティーなお酒には良いですね。普通にトマトだけ食べても美味しいんだけど、ガーリックオイルとアジシオで和えたらさらに美味しくなります。そこにお酒を合わせると、控えめだったお酒の旨味がほわわん。うまあああ!


グレープフルーツのレモンマリネは、グレープフルーツとレモンが味を補完し合って、生ハムの塩味も加わって、別々に食べるよりもずっと美味しくなります。そして、酸味がお酒の甘味を引き出してうまあああ。
ただこれ、料理としてはめちゃくちゃ美味しいんだけど、お酒と合わせるだけならレモン単体の方が合ったりします。やっぱり最強のアテはレモンだった! レモンを齧ってお酒を飲むだけだから、ぜひやってみてほしいです!

ジブリで例えると「猫の恩返し」の主題歌「風になる」。軽やかで爽やかで元気が出る名曲。どよんと蒸し暑い夏ではなく、カラッと気持ち良い爽やかな夏を感じさせてくれます。

好き度:★★★★★

羽根屋

羽根屋

【DATA】
蔵元:富美菊酒造株式会社(富山県富山市)
造り:無濾過生原酒
アルコール度数:13% ・・・ 低い
製造年月:2025年6月

※今回の記事前半には、「兜LIVE!」さんによる羽根敬喜さんのトークイベントのレポート記事を参考にさせていただきました。興味深い記事をありがとうございます。

 

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