こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

花邑 > マーニー(思い出のマーニー)[ジブリ酒]

花邑(はなむら) 純米大吟醸 愛山】

フルーティー 上品かわいく 美しく

花邑

花邑
花邑
花邑

ひとつ前の翠玉さんに続いて、こないだ飲んだ陸羽田がとろ甘ほの苦で激ウマだった花邑さん。翠玉と同じく秋田県湯沢市・両関酒造さんのお酒です。

両関酒造さんは、明治7年(1874年)の創業。当時は、櫻正宗さんに端を発する「正宗」という銘柄が流行していました。正宗という日本酒の銘柄名はただのダジャレですが、元々の正宗は日本刀の銘です。そこで『名刀「正宗」は東の大関、西の大関は「宗近(むねちか」。東西両方の大関になれるように』との願いから「両関」と名付けられました。

正宗は有名ですね。鎌倉時代末期から南北朝時代初期に鎌倉で活躍した刀工で、名刀の代名詞となっています。一方の宗近はもっと昔、平安時代に京の都で活躍した刀工。天下五剣の中でも最も美しいと言われており徳川将軍家伝来の宝刀で現在は国宝に指定されている「三日月宗近」や、一条天皇の宝刀「小狐丸」が有名です。なるほど両大関にふさわしいですね。

ちなみに、なぜ横綱じゃなくて大関かというと、当時はまだ横綱という番付はなく、大関が最高位だったから。横綱という称号は江戸時代からあったものの、大関の上の番付として定められたのは、明治23年(1890年)の5月場所からです。

話を両関酒造さんに戻しましょう。
両関酒造さんは、寒冷な気候を活かした低温長期醸造法と、環境省の日本名水百選にも選定されている「力水」を武器に売上を伸ばしてきました。しかしその売上は普通酒が中心。飲み手の嗜好の変化によって売上は落ちはじめ、両関酒造さんは量より質を重視した酒造りに転換を決意します。そんな折に「十四代高木社長の技術指導を受けて生まれたのが、今回の花邑さん。一時期はほんとに入手困難な銘柄でしたが、最近はようやく少し買えるようになってきましたね。とは言え、ネット上ではまだかなりのプレミア価格が付いています。参考までに最後に通販リンク貼っておきますが、こんな値段で買わないでくださいね。

そんな両関酒造さんの杜氏は、2020年に就任した山内めぐみさん。元神奈川県警の警察官で、結婚・出産を経てから両関酒造さんに入社したというかなり異色の経歴をもつ杜氏さんです。でもそういう経歴なのに杜氏を任されているということ自体が、実力の証明になりますね。しかも山内さんの造るお酒が美味しいのは、もう充分に知っています。

さて、前回の花邑・陸羽田は花邑ブランドの中で唯一の純米酒でした。それに対して今回はその対極。酒米のダイヤモンド・愛山を使った純米大吟醸です。純米酒が官能的で感動的だったんだから、純米大吟醸にも期待がふくらみます。それでは飲んでいきましょう。

上立ち香、やさしく上品フルーティー。マスカットの酸と桃と瓜が心地良いです。

口当たり、ぽわんと酸甘かわいらしく。甘味もふわっとふくらんで、きれいな旨苦じんわりと。

うまああああ。
かわいくて上品で美しい!!
上立ち香もふんわりフルーティーで、後味もやさしいフルーツ甘酸渋。余韻がまた素晴らしいです。

 

アテで合ったのは、翠玉さんに引き続いてやっぱり桃のガスパチョ。翠玉さんではお酒が華やかになりましたが、花邑さんではお酒の奥深さが増す感じ。その違いが面白いです。

ジブリで例えると「思い出のマーニー」のマーニー。ジブリには魅力的なキャラクターがたくさん出てきましたが、美しさではマーニーがいちばんだと思います。

好き度:★★★★★

花邑

花邑

【DATA】
蔵元:両関酒造株式会社(秋田県湯沢市)
造り:純米大吟醸
原料米:愛山
精米歩合:45%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
日本酒度:-6.7 ・・・ 甘口
酸度:1.5 ・・・ 普通
製造年月:2025年9月

 

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