【一ノ蔵 ひめぜんソーダ】
爽やかな 梅酒の酸甘 軽やかに






お久しぶりの一ノ蔵さん。宮城県大崎市・(株)一ノ蔵さんのお酒です。
今回のお酒は、発売されたばっかりの新製品、ひめぜんソーダです。PR TIMESのプレスリリースの日付は2025年4月10日だから、ほんとに出たばっかですね。低アル甘口酒・ひめぜんの炭酸バージョン。瓶には「ソーダひめぜん」って書いてるけど、商品名は「ひめぜんソーダ」らしいです。
ひめぜんは、日本酒度が-70.0~ -60.0の激甘日本酒。酸度は4.6~5.3でかなりすっぱくて、アルコール8%という低アルな、かなり尖がったスペックです。梅酒を加えたリキュール「ひめぜんUme」もありますが、日本酒の方も梅酒みたいな濃醇なお酒でした。かなり日本酒離れした味わいだからか、缶の説明書きのいちばん上に「本品はお米でつくられた日本酒です」ってわざわざ書いています。まあ、疑う人がいても不思議じゃない味。
一ノ蔵さんの公式サイトを見ると、ひめぜん6を強炭酸4で割ったひめぜんソーダが勧めています。でも今回のお酒は、最初から炭酸ガスを加えてる度数5%の低アル酒。8%を6:4で割ったから、8x0.6=4.8≒5%と、割った比率は同じくらいっぽいですね。炭酸充填は、例によってモンデ酒造さんです。
一ノ蔵さんの低アルスパークリングと言えば「すず音」もありますが、造りはけっこう違います。すず音は瓶内二次発酵による自然の炭酸でした。値段もその分だけけっこうお高くて、300mlで税込924円。それが今回のひめぜんソーダでは、240mlで税込495円。これはおそらく、このジャンルの絶対王者・松竹梅さんの澪(300ml 税込566円)にガチでぶつけてきましたね。一ノ蔵さんはコンビニでも時々入っているくらい営業力と生産力があるから、今後このお酒がどれくらい伸びていくか見ものです。
ひめぜんさん、正直、僕にとっては濃醇すぎたんですよね。炭酸でどうなってるのか楽しみです。それでは飲んでいきましょう。
香りはほんのり梅酒の甘酸。当然だけど、ひめぜんに似てますね。日本酒なのに梅酒っぽくて面白い。でも、ノーマルひめぜんより、ほど良く薄まっていて、爽やかで良い感じ。
口に含むと苺ぽい酸味甘味が鮮やかに。その直後、強炭酸のシュワシュワが、奥に向かって広がります。苺に感じた酸甘は、後半に梅酒っぽく変化して、口の中でほわあっと膨らみます。後味は、ブドウの渋味がじんわりと。
ひめぜんは、梅酒っぽい酸味と甘味がどどどどどっと広がる濃厚なお酒だったけど、それが良い感じに薄まっています。そして炭酸が爽やかで、5%の低アルが軽やか。日本酒ビギナーさんにもお勧めです。
ただ、個人的には、日本酒に求めるのはこれじゃないんですよね。それに、松竹梅さんの澪もそうなんですが、この味わいだと缶チューハイとの差別化が難しい。で、値段だと缶チューハイに太刀打ちできないのも苦しいですね。難しいなあ。
アテは、似た味わいを合わせる作戦で、苺。熊本の「ゆうべに」という品種です。小粒だけど、色がきれいで、味わいも程よく甘酸っぱい。美味しいです。お酒を合わせると、お酒の甘酸っぱさがちょうど良く中和されて、その後に甘味がふわり。ペアリング成功!
ジブリで例えると「風の谷のナウシカ」の、ナウシカにチコの実をあげる女の子。無垢でかわいい。
好き度:★★★☆
「上手い事言うなw」って思って読んでたけど、『㐮』が入ってないのが気になって、『㐮』の意味を調べたら、『助ける』だった。
— 有也 (@lovemanual) 2018年8月3日
風 人 谷 女=ナウシカ だとすると、それを助ける女たちはチコの実を集めた女の子たちってことになるな。
姫ねえさまー! pic.twitter.com/7dqaeDD6vX
【DATA】
蔵元:株式会社 一ノ蔵(宮城県大崎市)
造り:スパークリング
アルコール度数:5% ・・・ 低い
製造年月:2025年3月
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