【紀ノ酒 純米吟醸】(2010年製造)
熟成の 優し懐かし 蜜甘酒
龍神丸・紀勢鶴の高垣酒造さんの別ブランド・紀ノ酒です。しかもこれ、製造年月は22.3。2022年のわけはないから平成22年ですね。ということは、2010年! 11年もの! 凄いのが残ってました。
ん? 高垣酒造さんの2010年? ってことは、前に飲んだ紀勢鶴と同じ!
実はこの年の8月、杜氏だった八代目蔵元の高垣淳一氏が、46歳という若さで急逝されたんです。その最後の醸造分ということ。
高垣酒造さんは、その後、奥様が跡を継がれました。でも、奥様は酒造りについては全くの素人。次の年に造られたお酒は、一升瓶にして100本だけだったそうです。
その後、数々の苦難を乗り越え、生産も一升瓶にして約2万本まで回復したそう。
高垣酒造さんのストーリーについては、クラウドファンディング・Makuakeの出品記事に詳しく載っています。クラウドファンディング自体は既に終了していますが、龍神丸が好きな方はぜひ読んでいただきたい内容です。泣けます。
そんな由来のある、特別なお酒。心していただきます。
色はほんのり山吹色
香りは蜜甘熟成感が素晴らしいです。
口に含むと、優しい熟甘酸味がほわーん。後半は旨味がじわーん。最後に熟成の苦みが少しだけ顔を出します。
年月の積み重ねと、どこか懐かしさを感じる複雑な味わい。でも、劣化は全くなく、きれいです。
しみじみ美味しいなあ。
アテに合わせてマスターに作ってもらったのは、ドライフルーツマスカルポーネ。
フルーツの甘さとマスカルポーネチーズの優しい後味の合わさり方が絶妙な一品でした。お酒の甘さは少し引っ込んだけど、旨味を引き出してくれます。
ジブリで例えると「耳をすませば」の西さん。聖司くんのおじいちゃんです。優しい歳の取り方をしています。過去には悲しい経験をしたけど、その上に今を生きる幸せがあります。
満足度:★★★★☆
The artisan who made this must have been disappointed in love./きっと、この時計を作った職人が届かぬ恋をしていたんだよ...「西司朗/耳をすませば」pic.twitter.com/RPRJ3W69po
— ジブリで英語(*´ω`*) (@h_tana0121) 2019年5月8日
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