【緑川 熱燗酒 緑川政宗】
燗すると 苦味が消えて 豊潤に
20年で片手で数えられるほどしか会えなかったのに、この1ヶ月で3本目な緑川さん。僕がはじめて日本酒に目覚めた銘柄です。
こちら、こないだ古緑川を飲んだお店のマスターに緑川さんを扱ってる酒屋さんを教えていただいて、さっそく買ってきたんです。こじんまりとした清潔感のある酒屋さんで、日本酒がメインなのに置いてる銘柄は、緑川・久保田・朝日山・南だけという超こだわりのお店。久保田と朝日山は同じお蔵さんですしね。中でも緑川は全種そろえるという力の入れようです。こういうお店、好き!
いろいろ並んでる緑川さんから選んだのは、熱燗用のお酒。こんなのはじめて見ました。スタンダード品も気になるけど、熱燗用は寒いうちに飲みたいですからね。
それでは、飲んでいきましょう。まずは常温で味見。
香りは、蜜甘ほの旨クラシック。ふくよかで、かすかにアルコール感もあって良い感じです。でも、緑川さんは淡麗辛口きれいなお酒というイメージなので、このふくよか蜜甘はちょっと意外ですね。
口に含むと、蜜米甘味とやわらか酸味。と思ったら、苦味が出てきてこんにちは。甘苦クラシックですね。やっぱり意外。後味にも、苦甘ほの酸がじんじん残ります。
裏ラベルを見てみたら、この子、もち米四段仕込みでした。なるほど、緑川さんにしては甘味が強いと思ったら、四段だったんですね。通常は酒母から3回に分けてお米と水を足していくんですが、それをさらにもう1回足したのが四段仕込み。三段仕込みよりも糖分が残って甘く仕上がります。
常温だと、けっこう苦味が強くて、正直ちょっと気になります。でも、この苦味はなんとなくコハク酸っぽい。ってことは、燗にしたら消えるかもしれません。これは燗が楽しみ!
というわけで、いよいよ本命の燗を付けていきます。いつものように、月桂冠 THE SHOT の空き瓶にお酒を移して、温度計突っ込んで湯煎。燗って面倒なイメージもありますが、温度計さえあれば、お湯を沸かすだけだから楽チンです。電子レンジ燗も手軽で良いんですが、湯煎の方がなんとなくまろやかな気がするし、温度を見ながら温められるので失敗がありません。あと、酒器をお湯で温めてからお酒を注げるのも良いですね。なにより、温度が上がっていくのを眺めるとワクワクします。
ちなみに写真の平杯は、手びねりの自作品。前に町内会の旅行で信楽に行って、陶芸体験したときに作ったやつです。はじめてだから分厚いし不格好だけど、口当たりはやわらかくて気に入ってます。平杯じゃなくて醤油皿のつもりだったんですけどね。
熱燗(50℃)まで上がったところで味を見てみます。
お! やっぱり苦味がなくなってる。酸がちょっと立って、甘味も豊かになりました。米甘乳酸ぽわぽわうんまっ! 今までの緑川さんのイメージとは違う、ふくよかで快活な感じ。
とびきり燗(60℃)まで上げると、ちょっとアルコールの刺激が出るけど、味わいはすっきり。これはこれでアリです。ぬる燗(40℃)のふわふわした感じも良い。いちばん好きなのは、上燗(45℃)くらいで、まるくてやさしくて豊潤です。
美味しかった~。
アテに合わせたのは、お昼ごはんに作った「至高のきつねうどん」。バズレシピのリュウジさんのやつです。熱燗にはこういう出汁の効いたのが合いますね。
ジブリで例えると「思い出のマーニー」の大岩セツさん。杏奈が夏休みを過ごす家のおばちゃんです。 おおらかでどっしり優しい、温かい人。
好き度:★★★★
思い出のマーニー『頼子・大岩清正・大岩セツ』おにぎり❤️https://t.co/nmgc6I1XNu#思い出のマーニー #頼子 #大岩清正 #大岩セツ #おにぎり #オブラートアート #オブアート #フーディーテーブル pic.twitter.com/yBU24WAJ3I
— みんなのあねご (@AnegoMyu) 2020年8月4日
【DATA】
蔵元:緑川酒造株式会社(新潟県魚沼市)
造り:もち米四段仕込み
精米歩合:65%
アルコール度数:15.5% ・・・ 普通
製造年月:2022年11月
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