
今日は、ちょっと趣向を変えて日本酒関係のイベントの紹介です。
そのイベントが「菩提酛清酒祭」。菩提山正暦寺で行われる菩提元のお祭りです。
正暦寺は、山号を「
ちなみに一条天皇の母・
話しは戻って、正暦寺は日本清酒発祥の地なんです。室町時代に、境内を流れる

こちらが清酒祭で配られた御酒之日記の抜粋。そしてこの時代に、諸白仕込み・三段仕込み・菩提酛造り・火入れなど近現代の日本酒造りの基礎となる製法が完成しました。そんなわけで、正暦寺の境内には「日本清酒発祥之地」の碑も建っています。
なお、諸白仕込みとは、麹米も掛米も精米する方法。今はほぼ全ての日本酒が諸白になっています。菩提酛造りは、正暦寺で行われていた酒母作りの方法。こちらは一度廃れましたが、近年になって、岡山や奈良のお蔵さんによって復活しています。

そんな正暦寺で年に1回行われるお祭りが「菩提酛清酒祭」。復活した銘柄・菩提泉の仕込みの様子を見学できたり、菩提泉や菩提酛で仕込まれたお酒の試飲をしたり、菩提酛粕汁が振る舞われたりします(有料)。
今回のレポートは、僕が去年の1月11日(土)参加したときのもの。今年2026年の菩提酛清酒祭は、今週末1月10日(土)に開催されます。
そもそも僕もこのお祭りのことは知りませんでした。でも去年の開催の2日前、1月9日にいつものお店で飲んでたら、隣の席の人に正暦寺の清酒祭があることを教えてもらったんです。正暦寺、一度行ってみたかったんですよね。年に一度のお祭り直前にそれを知れたのはめっちゃラッキー。これは行くしかありません。
正暦寺があるのは、奈良市南東部の山の中。車ならそんなに遠くありませんが、試飲はできなくなりますね。でも、公共交通機関を使うのは結構大変。公式サイトを見ると、最寄りの駅から徒歩1時間半って書いてます。紅葉の時期とこのお祭りの日以外は、バスもありません。逆に言えば、正暦寺に行くなら清酒祭の日がチャンスということです。

その臨時バスは、JR奈良駅発で、近鉄奈良駅を経由して正暦寺に向かいます。奈良って、近鉄の方が便利で、JR奈良駅はちょっと離れてるんですよね。でもおすすめは圧倒的にJR奈良駅。ここで満員になったら、近鉄奈良駅では乗車できません。
僕の場合は、近鉄奈良駅から歩いて、バスの予定時刻の30分前にJR奈良駅のバス停に着いたんですが、この時点で既に20人ほど並んでいました。発車時刻の10分前にバスが来た時点で、列は目測80人ほど。当然全員は乗れません。近鉄奈良駅にも一応停まったけど、当然そこで待ってた人は乗れませんでした。僕はギリギリ座れましたが、多くの人は正暦寺までの約30分間、立ったまま。バスで行く方は、30分以上前にJR奈良駅に着いておくことをおすすめします。
なお、バスは9:00,9:30,10:10発の3便あり、僕が乗ったのは最初の便でした。

お祭り自体は、10時頃に開始。まず、菩提泉の酒母造りが行われます。菩提泉は、正暦寺と菩提酛研究会のメンバーである今西酒造(みむろ杉)・上田酒造(嬉長)・葛城酒造(百楽門)・菊司醸造(菊司・くらがり越え)・北岡本店(八咫烏)・倉本酒造(KURAMOTO・つげのひむろ)・油長酒造(風の森・鷹長)で共同醸造されるお酒。共同とは言え、醸造は持ち回り制で、2025年の菩提泉の麹は、北岡本店さんが担当でした。大きな木桶でお米を蒸しつつ、お蔵さんがその工程を説明してくれます。

興味深いのは、そこで菩提酛の大きな特徴であるそやし水をビーカーに入れて回してくれるんです。そやし水というのは、生米を石清水に2日間漬けて乳酸発酵させた酸性の水。このそやし水を使うことで、アルコール発酵に必要な酵母以外の雑菌の繁殖を抑えられるんです。ビーカーに入ったそやし水は、色はうすにごり、お米のやさしい甘旨と乳酸の香りがしました。思ってたより美味しそう。醸造用のそやし水は、黄色い大きな桶の中に入っています。

ここから、お待ちかねの試飲タイム。お米が蒸しあがるのを待つ間、試飲会場に向かいます。ここでは、菩提酛研究会の7蔵のお酒や、菩提泉の試飲ができます。菩提泉は、四合瓶で税込16500円の高級酒。なかなか普段は飲めないので、試飲ができるのがありがたいです。ちなみに試飲は小さい2勺(約36ml)のお猪口1杯で700円でした。


7蔵のお酒は、それぞれ個別に注文することもできますが、飲み比べセットだと、30mlくらいが紙コップに入っていて、7杯で2100円。本当はこれに奈良漬けも付いてくるんですが、それは菩提泉をしっかり味わっているうちに売り切れてしまいました。温かい粕汁は、最後まで残っているようでした。



菩提酛ばかり8杯も飲む機会なんて、他ではまずないので、とても面白かった。飲んだお酒のレビューは、最後に付けておきます。


試飲している間にお米が蒸しあがったとのアナウンスがあったので、また仕込み場に戻ります。蒸しあがったお米を仕込み後は、お坊さんたちによる読経。その中に山伏さんもいらっしゃいました。この後、直接お話をさせていただいたんですが、本物の山伏とお話しする機会はなかなかないので、かなり貴重な体験でした。

帰りももちろんバスなんですが、少しだけ時間があったので、正暦寺の本堂と福寿院を拝観。福寿院では、狩野永納筆の襖絵や、県指定重要文化財の孔雀明王像を見せていただきました。最終バスの時間が迫っていたこともありますが、拝観者は僕ともう1名だけ。みんな酒だけが目当てなんかい! でもそのおかげで、落ち着いた雰囲気の中、ゆっくり拝観することができました。拝観料500円はかかりますが、おすすめですよ。
今回のレポートはイベント紹介がメインなので省略しましたが、正暦寺や菩提酛の取り組みについては、以下のサケストさんの記事が詳しいです。興味を持たれた方は読んでみると面白いですよ。
というわけで、菩提酛清酒祭のレポートでした。
これを読んで、もし行ってみたいと思った方は、以下のアドバイスが役に立つかもしれません。
・バスで行く方は、30分以上前にJR奈良駅に着いておきましょう。
・イベントおよび試飲会場は真冬の屋外です。2025年は外気温が5℃くらいだったから、お酒の温度も天然の雪冷えでした。寒かった! 温かい恰好で行ってください。
・全種試飲したら、そこそこの量にはなります。酔っぱらわないように気を付けましょう。
・酩酊防止にも、飲み比べ時の味のリセット用にも、やわらぎ水は用意しておいた方が良いです。
・アテも粕汁以外ありません。何か用意しておくと良いですね。チーズなんかがおすすめ。
・お寺の拝観も良いですよ。
以上です。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
最後に試飲したお酒のレビューを乗せておきますので、参考までにどうぞ。
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