こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

[特集]最強スペックの日本酒

最強の日本酒

世の中には、こんなお酒どうやって造るの? とか、こんなお酒なんで造ったの? みたいな飛びぬけているお酒があります。今回はそんな、いろんな切り口で最強のお酒を集めてみました。ただ、味わいとかは定量的に比べることができないので、今回はスペックなどちゃんと数値化されているものだけを扱います。

日本酒度最強(+):山法師 爆雷

まずは、日本酒度のプラス側。
日本酒度というのは、定義としては比重です。水より重いとマイナス、軽いとプラスになります。糖分は水より重く、アルコールは水より軽いので、糖分が少ない≒辛口だとプラスに、糖分が多い≒甘口だとマイナスになります。
明確な決まりはないのですが、一般的に日本酒度が+10以上だと大辛口や超辛口と呼ばれます。で、山法師 爆雷の日本酒度は+28!! 日本酒度をこれだけ上げようと思うと、醪の中の糖分は完全にアルコールに変えてしまわなければいけません。でも、糖をアルコールに変える酵母は、アルコール度数が高くなると、自分の作ったアルコールのために死んでしまいます。だから、ここまで日本酒度を上げるのって難しいんです。爆雷はそれを、アルコール添加しない純米酒で実現してる上に、ちゃんと美味しいんです。とんでもない技術力!!

もう1本飲んだことないやつも。こないだにごり酒を飲んだ作州武蔵さんの「剣豪武蔵」とうお酒が日本酒度+28以上なんだとか。暫定同率1位ですね。飲んでみたい!

 


日本酒度最強(-):舞美人 MYVY

日本酒度プラスとは逆に、マイナスの方は糖分たっぷり。プラス側は糖分が無くなるという限界がありますが、マイナス側は糖分が増えるとどんどん絶対値が増えていきます。マイナスの方も、-10を超えると大甘口って言われていますが、舞美人 MYVYの日本酒度は、-154!! しかもこのお酒、甘いだけありません。なぜか醤油の味がする。甘くて醤油、つまりみたらし団子みたいなんです。意味がわかりません。

 

 

酸度最強:久米桜 カルシ酢

酸度は、その名の通り、酸の強さを示す値です。日本酒は醸造過程で乳酸を加えたり生成させたりするので、アルカリ性になることはありません。だから日本酒度とは違い、酸度にはマイナスはありません。酸度は1.3~1.5くらいが普通で、2.0を超えるものはかなり少なくなります。
2024年に久米桜さんのカルシスが登場するまで、酸度最強は舞美人STRONGの9.6でした。上記のMYVYといい、舞美人さん尖りすぎやろ! でもそこに現れたカルシスVer.1がいきなり酸度18.3。その後、僕が飲んだのものでは、カルシスVer.2が16.3、カルシスVer.5が18.8、青れもんドオが19.1。で、このカルシ酢は、29!! どうやったらこんなのができるのか、想像もできません。ちなみにカルシスと青れもんドオとカルシ酢は酸の方向性が全部違って面白かったです。カルシ酢のレビューではそのあたりも触れています。

 

 

アミノ酸度最強:千代の松イタリア&土田Data15

アミノ酸度もその名の通りアミノ酸の含有量を示した値。アミノ酸度が高いとコクと旨味が大きくなり、低いとすっきりとしたお酒になります。標準はだいたい1.3~1.5くらいで、鑑評会向けの研ぎ澄まされたお酒では1.0以下になることも多いです。逆に2.0を超えるものはあんまり見かけません。アミノ酸度が高いと雑味も多く感じられやすいのが弱点です。
で、最高値をたたき出したのは、同点で千代の松イタリアと、土田研究醸造Data15の4.0! 両方とも精米歩合90%の低精白です。千代の松さんはイタリア原産の長粒米・カルナローリー米を使っていて精米歩合を上げることができなかったことから低精白。ちなみに赤い色が付いたのは事故です。詳しくは上記の記事で。土田さんは、元々アミノ酸度の高そうなどっしりしたお酒が多いですが、この研究醸造Data15ではあえてさらにアミノ酸度を高くしようとしています。さすが土田さん。
なお、アミノ酸度最強酒については、あくまで僕の飲んだ中での最高値です。これ以上のアミノ酸度のお酒を知っている方は、ぜひ教えてください。

 

 

精米歩合(低精白)最強:新政 涅槃龜100

低精白の最強は、まあ当然ながら全く磨かないお米・玄米です。精米歩合は100%。低精白になるほど雑味は増えていくので、味わいはまあ… 詳しくは記事をご覧ください。
ちなみに玄米では日本酒を名乗れないという説もあり、あえて精米歩合99%にしている例もあります。このあたりは、いろんなお蔵さんの意見をまとめて特集記事を書いているのでよろしければこちらもご覧ください。

 

 

精米歩合(高精白)最強:零響 – Crystal 0 –

高精白側の最強酒は、新澤醸造店さんの零響です。精米歩合は0.85%以下。お値段なんと税込137万5000円。当然ながら飲んだことはありません。ちなみに零響のAbsolute 0というお酒も合って、こちらは精米歩合0.85%で税込385,000円。

ちなみにAbsolute 0は、以前は精米歩合0%と表記されていました。2018年の発売当時の酒税法では「精米表示は小数点以下切り捨て」というルールだけだったから、0.85%は0%と表記するのが正しかったんです。でも2019年に酒税法が改正されて、「1%未満の精米歩合については1%未満と表示する」とされました。このお酒のために改正されたようなものですね。

僕が飲んだことある中では、来福さんの超精米8%が最高値。とあるキャンペーンで当選していただいたお酒です。記事には、玄米と精米後のお米の写真も載せています。

 

 

価格最強:零響 – Crystal 0 –

零響の2冠です。税込137万5000円。ちなみに今回のレギュレーションでは、ちゃんと製品として販売されているものを対象にしています。1点ものやオークションは対象外。
1点もの・オークションを入れるなら、獺祭さんが宇宙で醸したお酒の1億1000万円が最高額。イギリスのケンブリッジ郊外にあるDojima Sake Breweryが出品したビンテージSAKE「懸橋(ケンブリッジ)」の888万円や、移動しながら醸造された「十輪 旅スル日本酒」の440万円というのもあります。細かいツッコミをするなら、このふたつは海外で造られているので、厳密には「日本酒」ではありませんけどね。

厳密に日本酒を対象にするなら、獺祭が222万円で売れた例があります。

僕が飲んだ中での最高額は、SAKE HUNDREDの礼比、定価165,000円 (送料別)でした。もちろん買ったわけではなく、とある日本酒会にある方が持ち込まれたもの。凄い経験をありがとうございました。

 

 

仕込み段数最強:大関 超特撰 十段仕込

こちらも飲めていません。
通常のお酒は、酒母を造った後、3回に分けてお米と水を足していきます。それが三段仕込み。それをもう1回追加するのが四段仕込みで、糖分が残って甘口になりやすい造り方です。四段仕込みは時々見かけますが、五段になるとめったに見かけません。僕の知っている限りでは六歌仙さんくらい。日本酒度最強で出た爆雷のお蔵さんです。それ以上は、下に挙げる例外を除いては、もう味わいを高めるというよりは、段数を上げること自体が目的でしょうね。大関さんの十段は、零響とは違って税込5772円だから、無理すれば買えるお値段です。

その例外。僕が飲んだことがある中では、千代の松さんの神仏習合の酒が八段で最高です。千代の松さんはアミノ酸度のところでも登場しましたね。こちらは精米歩合95%で、涅槃亀100を飲むまでは、僕の中で千代の松さんが三冠のトップに君臨していました。でも、この精米歩合95%にも八段仕込みにもちゃんとした理由があるんです。詳しくは記事で。

 

 

熟成年数最強:???

これはもうわかりません。それに、飲まなければ毎年更新されていきますしね。一般に販売されているものでは、昭和46年(1971年)の達磨正宗さんの55年がかなり有力候補です。お値段、200mlで税込48,915円、500mlで、税込97,829円。さすがのヴィンテージ品。達磨正宗さんは、昭和46年以降のヴィンテージが全て販売されています

僕が飲んだ中では、こないだいただいたその名も「1984」の42年ものが最古でした。

 

 

番外:アルコール度数最強:越後武士(えちごさむらい)

日本酒に醸造アルコールを添加した46度のお酒。現在の定義ではアルコール22度以上だと日本酒じゃないから番外です。でも2006年の酒税法改正前は日本酒を名乗っていました。ちなみにこれを日本酒に入れるなら、日本酒度は+66になって日本酒度部門でも最高値になります。

日本酒の定義から外れて良いなら、僕が飲んだ中での最高値は、「作 凝縮H」の30度。こちらは、特殊な膜を使って日本酒の水分だけを除いて凝縮させたお酒です。

 

番外:アルコール度数最弱:GOJI?

逆に、アルコール度数が最弱の日本酒って何でしょう? アルゴをはじめ、5%ならいくつかありますが、4%になるとほとんどありません。Xで募集してみたところ、教えていただいた中で最弱は、GOJI。ROKUJIから始まるHINEMOSシリーズのラストを飾るお酒です。早朝5時に飲むのは、度数2%の超低アル甘口酒。これ以上低いのってありますかね?
僕が飲んだ中での最弱は、カルシ酢の4%でした。最強にして最弱!

 

というわけで、最強スペックの日本酒特集でした。スペックでお酒を飲むのって美味しさとは関係ないから批判する人もいます。でも僕は、楽しければ別にOKという派閥です。こういう選び方するのも、めっちゃ楽しいですよ。日本酒の幅の広さを感じます。世の中、楽しんだもの勝ち!!

今回挙げたもの以外にも「こんなお酒があるよ」とか「こんな切り口もあるよ」などの情報があったら、ぜひ教えてください。

 

2026/4/15追記:初出後にXでいろいろ教えてもらい、追記修正しました。松下充 旅の人さん、れーむだっくさん、ありがとうございました。

 

関連記事:

 

←投票リンク踏んでいただけると、とても嬉しいです。

ブログランキング・にほんブログ村へ