本日 8月7日は「花の日」です。
と言っても、特に記念日として決まっているわけではないですし、他にも花の日と呼ばれる日はあるんですけどね。
でもまあせっかくの花の日なので、花酵母のお酒について特集してみましょう。
花酵母というのは、花から採取して分離した酵母のこと。
と言っても、なんのことかわかりにくいので、もう少し詳しく説明します。
■酵母って?
そもそも、酵母というのは、お酒を造るのに必要不可欠な微生物です。酵母菌ともいうくらいだから、細菌の仲間ですね。英語では
ただ、酵母の研究が行われるようになったのは、19世紀になってからです。でもそれ以前にもお酒もパンも作られていましたよね。その時代には、酵母を加えていたわけではなく、空気中に漂っていた酵母が自然にくっついただけだったんです。ただ、それでは運まかせなので安定した発酵ができません。そこで日本酒の
そして、ここでようやく花酵母の話に戻ります。先ほど言ったように、花酵母とは花から採取して分離した酵母。酵母はそこら中にいるので、花にもいるんですね。ただ、花から微生物を採取したとしても、それが充分な発酵力を持っているかは運次第です。だから、実際に培養してみて酒造りに使えそうなものを選別することになります。また、花と酵母は別の生物。だから、たまたま花から採取されただけで、花とは直接は関係ありません。同じ花から分離した酵母でも全く違う性質を持っている場合もあるんですね。
うがった見方をすれば、酵母をわざわざ花から採取する必然性はありません。どこから採取してもいいわけです。花からと言えばイメージが良いだけ。でもマーケティング的にはイメージって大事ですからね。トイレで採取とか言われたら、どんなに美味しくても買う気にはなれません。
■花酵母で有名なのは?
花酵母と言えば、筆頭に挙げられるのは東京農業大学の花酵母研究会。よくお酒の裏ラベルに「東農大分離酵母」って書かれている酵母の出どころですね。僕がよく東農
■花酵母の味わいは?
花酵母は、花から分離したというだけで、花と直接の関係はありません。だから、花の香りがするというわけじゃない。でもフローラルな香りのものもありますし、バナナ酵母のお酒がどう考えてもバナナだったりして面白いです。
■どんな花酵母がある?
上記の花酵母研究会のWEBサイトに花酵母の一覧があります。ただ、花酵母研究会でここに載っていない酵母もありますし、他にも花酵母はたくさんあります。ここでは、僕がこれまでに飲んだものだけ載せていきます。
・ササユリ:御代菊 純米吟醸 水酛 山乃かみ酵母
・カーネーション:積善 純米吟醸 カーネーション
・牡丹:積善 純米酒 生酒 牡丹の花酵母
・月下美人:羽根屋 MOONLIGHT BEAUTY
・ササユリ:千代の松 奈良の神仏習合の酒
・桜:碧龍 純米吟醸造り
・バラ(ミスターリンカーン) :天寶一 純米吟醸 ローズマインド
・バラ(プリンセスミチコ):よこやま 純米大吟醸 Princess Michiko
・月下美人:天吹 龍王
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・桜(五条川桜):勲碧 純米吟醸 桜酵母 五条川桜
・アベリア:来福 純米大吟醸 超精米8%
・月下美人&苺:天吹 花笑 純米吟醸
・牡丹:李白 華露 花酵母 黒米仕込
・バナナ:天吹 恋するバナナ 純米吟醸 生
・つるばら:来福 純米吟醸 愛山 つるばら酵母
・バナナ:天吹 純米大吟醸 バナナ酵母 生
・ササユリ:三日踊 純米吟醸 山乃かみ酵母
※バナナ酵母は花から分離したのか実から分離したのかわかりませんでしたが、ここでは花酵母に含めています
以上、花酵母特集でした。他にも「こんなお花の酵母あったよ」みたいなのがあったら、ぜひ教えてください。
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